略歴史

前身は、室町時代に大野木村の大木の下にご鎮座されていた観世音菩薩立像を、現境内に御堂を建立しお迎えしたことに始まります。

江戸時代に入り、正保年中に現大須萬松寺の九世陽殻宗南和尚によって興隆しますが、その後荒廃が進みました。しかし幸い享保8(1723)年に観音堂が改修されました。

明和5(1768)年には、巨嶽宗海和尚が萬松寺二十二世梅嶺大枝和尚を法地開山として迎え、山名を鎮東山から現在の玉龍山に改称し、庫裏も整備しまして、より整ったかたちで再興しました。

諸堂には、「不動・秋葉・稲荷堂」があります。

「不動・秋葉・稲荷堂」は、昭和14年に建立されましたが、老朽化が進み、平成19年の本堂・客殿再建と同時に再建されました。「不動堂」は、寺の東方の堤下ありましたが壊敗し危険になっていたものを、「鎮守秋葉殿」は間口二間奥行九尺のもの、「稲荷堂」は九尺四方のもので、それぞれ境内にあったものを、合祀した御堂であります。

現在に至るまでには、大震災による本堂の倒壊や、火災による本堂やご本尊・寺宝等の焼失もありましたが、平成17(2005)年ごろから諸伽藍の再建機運が高まり、平成19(2007)年に現諸伽藍が完成しました。そして、そこでの諸行事にて脈々と法灯が受け継がれています。現在は、多くの檀信徒の皆様が日々参詣されています。

なお、陽岳寺では、本尊さまとともに観世音菩薩さまを厚く敬い祀ってきました。毎年3月18日は、「観音大祭」を厳修し、多くの方々がご祈祷に参加されています。一般の皆様も是非ご参加下さい。詳しくは「3月18日陽岳寺の南無聖観世音菩薩縁起と大祭」をご覧下さい。

あいさつ

信仰から生まれる心の充足感は、
どんな薬より勝っています。

人が生きる中での身体的精神的な様々な病には、医学・薬学の進歩により適切な薬が次々と生まれています。しかし、信仰から生まれる心の充足感は、どんな薬より勝り健康を取り戻すことができ、生きる活力を得ることができます。是非、寺を訪れていただき、ご一緒に般若心経をはじめとするお経をよみ、満ち足りた充足感の世界を体験しましょう。

住職:権大教師 博士(文学) 佐藤 隆之
副住職:二等教師、臨床宗教師 博士(歯学) 佐藤 琢磨
庫裡:准教師 佐藤 千榮子

曹洞宗について

今から八百年ほど前の鎌倉時代に、「道元禅師(どうげんぜんじ)」が正伝の仏法を中国から日本に伝え、

瑩山禅師(けいざんぜんじ)」が全国に広められ、「曹洞宗」の礎を築かれました。

このお二方を両祖と申し上げ、

ご本尊「お釈迦さま(釈迦牟尼仏)」とともに、「一仏両祖(いちぶつりょうそ)」として仰ぎます。

平成30年度
告諭(曹洞宗管長のおことば)

曹洞宗はお釈迦さまをご本尊とし、歴代の祖師が相承してこられた御仏の教えにしたがい、正しい信仰生活を送ることを宗旨としております。

両祖として仰ぐ道元禅師と瑩山禅師は、坐禅を中心とした生活の全てが御仏の行いであり、その功徳を普く人々に回らせなさいとお示しくださいました。多くを求めてしまう生き方を見つめ直し、自己をつつしみ、ともに思いやり、分かち合う心豊かな社会の実現を、常に望んでおります。

今、私たちの心は不安に苛まれて止みません。絶えることない凄惨な事件や争いに胸を痛め、災害に涙し、他者との関わりに思い悩むような、苦悩に満ちた社会を生きております。

こうした世の中にあって、お釈迦さまと両祖さまは、いかにして心やすらかに生きるかをお示しくださっています。御仏の前に静かに坐り、ご先祖様に思いをよせて掌を合わせ、身心を調えて、一仏両祖の教えを今こそ実践して参りましょう。

南無釈迦牟尼仏
南無高祖承陽大師道元禅師
南無太祖常済大師瑩山禅師

合掌
平成30年4月1日
曹洞宗管長  江川辰三